1日の執筆文字数(疑惑)を自慢するライターの害悪性について考える

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Webライター・フリー

@pom11_25です。

今回は、SNSなどで誇張した1日の執筆文字数を自慢し、個人のブランディングに繋げてしまうライターの害悪性について考察していきます。


ライターの方ならば、SNSなどで懐疑的な執筆文字数を自慢している人を一度は見かけたことがあるでしょう。

例えば、「今日の積み上げ!5,000文字×2と3,000文字×2と2,000文字×3!」「今日は2万文字以上も書けた!ちょーうれぴー!」といった内容はたまに見受けられます。

真面目にライターに取り組んでいる方であれば、1日に2万文字を執筆することは限りなく不可能に近いことはすぐに分かるでしょう。

しかし、ライターに興味を持ったばかりの初心者ならば、夢と希望に満ち溢れてしまうはずです。

こういった点をはじめ、上記のような安易な発信はライター界隈に悪い影響を及ぼすものだと思っています。

具体的に、どのような影響が考えられるのでしょうか?

今回は、筆者自身が執筆文字数(疑惑)の自慢が害悪だと考える理由について深掘りしていきます。

この記事を読んでいただくことで、SNS等における安易なブランディングや承認欲求の追求が及ぼす、周囲への影響を考えるきっかけになるかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

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ライターのイメージが下がる

誇張したライターの生産性が公開されることで、周囲からのライターに対する評価が下がってしまうことが懸念されます。

具体的にいえば、下記のような悪いイメージが挙げられます。

簡単な仕事に見られる

ライターの仕事は決して簡単なものではありません。

確かに、特別な資格が必要ないほか、単純に見れば文章を書くだけの仕事です。

しかし、実際には文章は、正しい知識や考え方があって初めて書くことができるものなのです。

仮に、こういった内情を知らない人が誇張されたライターの生産性を目の当たりにすれば、間違いなく「簡単そうな仕事だな」と感じることでしょう。

そうなれば、参入の敷居はさらに低くなり、なんとなくライターに興味がある人などもどんどん参入する結果になります。

業界が賑わうことは喜ばしいことでもありますが、その一方でライターの質がピンキリになり、業界全体の評価が下がることに繋がる懸念もあるのです。

周囲から簡単そうな仕事に見られるだけでも、十分な弊害と言えるでしょう。

楽して稼いでいるように見られる

場合によっては、ライターという業種に対して「楽して稼いでいる」「胡散臭い」といった見方をされることもあるかもしれません。

ライターの報酬の相場は、1文字あたり1〜3円ほどが一般的です。

冒頭で挙げたように、仮に1日に2万文字の生産性を発揮できるできるとすれば、単純に日給は2〜6万円となります。

さらに、月に20日間稼働するとした場合、その月収はおよそ40〜120万円にも及ぶことになります。

つまり、最低文字単価の1円ですら、サラリーマンの平均月収を上回る形になるのです。

そのうえで、1日2万文字の執筆がさも簡単にできるような発信が行われれば、「ライターは少ない労力で大きく稼げる怪しい業種」といった誤解を招くことに繋がってしまうでしょう。

怪しい業種のレッテルを貼られ、あらゆる人の妬みの対象となれば様々なトラブルに見舞われる可能性も考えられます。

ライターの報酬の相場が下がる

安易な発信によって起こり得る、最も危惧すべき事態はライターの報酬相場の下落です。

前述の通り、ライターの報酬の概ねの相場は1文字あたり1〜3円となっています。

ただ、たとえ文字単価が3円であっても、その分より高い質やスキルが問われることがほとんどです。

そのため、ライターは報酬単価が高ければ、それだけ稼げるようになるという単純な仕事ではないのです。

それにも関わらず、全体の相場が下がるようなことになれば、労力を搾取されやすくなってしまうことが懸念されます。

とはいえ、今現在でも、ライターを搾取する超低単価な悪徳案件は数多く存在します。

実際に、クラウドソーシングサイトを見れば、文字単価0.5円以下のWebライター案件は数えきれません。

しかし、そういった中でも「2万文字余裕!」などの安易な発信が行われれば、ライター業界に詳しくないクライアントを勘違いさせ、悪徳案件をさらに増大させることに繋がりかねないのです。

悪徳案件が増え続ける一方となれば、満足に稼げないライターが増えてかつ必然的に生産の質が下がり、業界全体の質が下がるといった負のループに陥ることになり得ます。

こういった視点からも、過度なブランディングや承認欲求のための自分勝手な発信はすべきでないと言えるでしょう。

初心者ライターを悩ませる

安易な発信によって、初心者ライターを悩ませてしまうことも考えられます。

初心者のうちに大きな悩みを抱くことになれば、すぐにライターの道を諦めてしまう結果になります。

なお、具体的な悩みとしては、主に下記のものが挙げられるでしょう。

才能がないと感じさせる

文章作成に不慣れな初心者ライターが1日に執筆できる文章量は、せいぜい2,000文字ほどです。(筆者自身がそうでした。)

その一方で、ブランディングなどを目的として誇張した発信では、1日あたり2万文字の生産がさも簡単であるかのように表現されます。

やはり、2,000文字と2万文字では生産性の差があまりにもかけ離れています。

そのうえで、2万文字の執筆を一般的なライターがさも普通にこなせる仕事量であるとしたならば、初心者はその差を目の当たりにして自身の能力を疑ってしまう形になるでしょう。

その結果、「自分には才能がないのでは…」という考えに行き着き、ライターの道を諦めてしまうことにもなり得ます。

理想と現実の乖離が著しい

初心者が「1日2万文字は簡単に目指せる」という勘違いをしたとすれば、得られる収入の理想も自ずと高くなるでしょう。

そして、初心者ならば2万文字までは行かずとも、1日に1万文字は書けると安易に想像してしまうかもしれません。

仮に、その想像通りの結果になった場合、文字単価が1円でも日給1万円が得られることになります。

しかしながら、前述のように、初心者の現実としては1日あたり2,000文字の生産が概ね限界です。

その現実に直面すれば、思い描いていた収入と実際の収入があまりにも乖離してしまうことから、絶望感を抱くことになるでしょう。

ましてや、初心者のうちは文字単価が1円を下回ることも珍しくなく、その場合にはなおさら収入は理想とかけ離れるものとなります。

そうなれば、「全く稼げない」という考えに落ち着き、先ほどと同様にすぐにライターの道を諦めてしまう結果になるでしょう。

本当はライターは1日あたりどれくらい執筆できるのか?

ここまで、執筆文字数(疑惑)を自慢するライターの害悪性について考えてきました。

そして、その中では、1日2万文字の執筆に対する懐疑的な見方をしてきました。

正直にいえば、1日に2万文字前後の執筆は、あらゆる条件が重ならない限り不可能だと思っています。

ともなれば、一般的なライターが1日に執筆できる文字数は、本当はどのくらいなのでしょうか?

ここでは、Webライターである筆者自身の経験をもとにした、リアルな執筆文字数についてご紹介します。

リサーチをフルに行う場合

全く知見のないジャンルの場合、執筆には常にリサーチが伴う形になります。

リサーチは、知識をインプットするために行うものです。

そして、単にリサーチといっても、知識を正確かつ網羅的にインプットしなければ質の良い文章は書けないため、リサーチには通常の文章作成以上の時間を要するのが普通です。

このため、リサーチがより多く伴うものであるほど、執筆にかかる時間もより長くなります。

なお、実際に筆者がリサーチをフルに行った際に執筆できた文字数は、1日あたり5,000文字ほどです。

リサーチの力を緩め文章の質を落とせばプラス1,000〜2,000文字も可能かもしれませんが、一定の質を維持することを考えた場合は上記の文字数が限度でした。

慣れたジャンルでリサーチがあまり必要ない場合

情報は常にアップデートされていきます。

そのため、いくら慣れたジャンルであっても、ある程度のリサーチは必要です。

なお、現状として、筆者は手広く様々なジャンルに着手しており、慣れたジャンルでの執筆経験というのはありません。

よって、あくまで感覚的な予想となりますが、上記の条件下で執筆を行う場合は概ね8,000〜1万文字ほどが1日の生産の上限になると思います。

具体的な内容やコンディション、生産の質の程度によっても執筆量は変わりますが、多くのライターの発信を見る限りでも上記の文字数が一つの指標と言えます。

もちろん、1日で2万文字の執筆ができるかどうかと問われれば、慣れたジャンルであってもできると断言する自信はありません。

まとめ

今回は、真偽を疑うような執筆文字数を掲げ、それをSNSのブランディング等に利用してしまうライターの害悪性について解説しました。

  • 安易な発信により、ライター全体のイメージを下げる可能性がある。

 

  • 文章の生産が容易く見られ、報酬相場が低くなる懸念がある。

 

  • 現実離れした差を感じてしまい、初心者ライターの自信を失わせることになる。

 

  • 実際は、知見の少ないジャンルなら1日5,000文字ほど、知見のあるジャンルなら1日8,000〜1万文字ほどが限度。(Webライター経験約3年の筆者の場合)

一定の質を担保するならば、1日に2万文字を執筆することはまず不可能だと思っています。

仮に執筆できるとしても、寝食を削り健康を犠牲にしたうえで、過去の知識の使い回しやほぼコピペの低品質な文章を生産することになるでしょう。

そんな状態では、継続して仕事を行うことは難しくなります。

また、実際のところ、1万文字以上の執筆も決して容易ではありません。

これに関しても、多くの条件が重なって初めて可能になるものであり、その成果を毎日継続させていくとなればとても難儀です。

そういった現実を尻目に自己満足のための安易な発信をすれば、それを真に受ける人が必ず出てきます。

そして、ライターであれクライアントであれ、発信者とともに真に受けた人たちが業界の質を落としていくことになるのです。

そもそも、クライアント側はライターに対して執筆速度など求めていないため、このような発信はSNSにおける発信者の自己満足にほかなりません。

承認欲求を満たし自己満足に浸るのは一向に構いませんが、嘘や誤解を生むような発信でライター業界を汚すようなことは避けていただきたいものです。

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