家庭料理でも衛生面に気遣うべき!衛生管理の基本と重要性について

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料理・お菓子作り

@pom11_25です。

今回は、家庭料理における衛生管理の基礎や重要性について解説いたします。


衛生管理は、料理の初歩とも言える必須知識です。

これを学ばずして、安全で美味しい料理は作れません。

家庭で作る料理においても例外ではなく、むしろ衛生管理の知識がなければ家族を苦しめてしまうことにもなり得ます。

料理の衛生管理とはどれほど重要なもので、それを怠ることでどのような結果を招いてしまうのでしょうか?

今回は、料理の衛生管理の基礎をはじめ、その重要性や具体的な対策についてご紹介いたします。

衛生管理の徹底は、料理を美味しく作り楽しむというところにも繋がりますので、しっかり押さえておきましょう。

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料理における衛生管理とは

そもそも、料理における衛生管理とはどういったことを指すのでしょうか?

料理の衛生管理とは、簡単に言えば料理の清潔性を保つための管理のことです。

食中毒を防ぐ目的が主で、その原因となる菌やウィルスを「付けない」「増やさない」「やっつける」という三原則が基盤となります。

言い方を変えれば、上記の効果が得られるあらゆる対策が衛生管理に該当し、調理前から調理後までの過程で常に意識しておかなければならない部分となるのです。

意識を怠ったり、そもそも知識が乏しかったりすれば、たちまち食中毒を発生させ周囲の人を苦しめることになってしまいます。

なお、事業の場合は衛生管理の徹底が義務付けられておりますが、家庭内では各々の努力に任されております。

そして、家庭内での調理には、これといった資格等も求められません。

それらの点で、家庭内では衛生管理の知識が不十分になるケースが多く、食中毒を発生させる確率が高くなることが指摘できます。

公のデータでは、食中毒の発生事例は事業者が大半を占める形となっていますが、それは事業者が食中毒を発生させた場合は保健所に報告がなされるためです。

つまり、家庭内での食中毒は報告義務がないがゆえに問題になりにくくなっているだけであり、しっかり報告がなされれば家庭内の食中毒は群を抜いて高くなる可能性があります。

知らず知らずのうちに食中毒を発生させていることも考えられるため、家庭料理でも高を括らずに然るべき知識を押さえることが重要であると言えるでしょう。

家庭料理の衛生管理の重要性

料理における衛生管理は、簡単に言えば食中毒を防ぐための手段のことです。

では、その適切な手段を遵守することには、家庭料理においてどんな意味があるのでしょうか?

ここでは、家庭料理の衛生管理の重要性について見ていきましょう。

自分や家族を食中毒で苦しめずに済む

料理を作るにあたって適切な衛生管理が行われなければ、食中毒は避けられません。

そして、実際に家庭内で食中毒が起きた場合に、その被害に見舞われることになるのはほかでもない自身や家族です。

食中毒の主な症状は腹痛・嘔吐・下痢・発熱ですが、ひどい場合は症状が重くなったり、数日から1週間程度まで症状が続いたりすることもあります。

腹痛も然ることながら、嘔吐や下痢ならば脱水症状を併発させることもあり、その苦しさは容易に耐えられるものではありません。

一般的に、家庭料理を作る機会というのは多いものです。

そうした中で、衛生管理が徹底されずにいれば、食中毒で自身や家族を苦しめる頻度も高まってしまいます。

一方で、衛生管理を徹底することで食中毒の発生を防ぐことができ、自身や家族を苦しめることもありません。

この点を鑑みれば、衛生管理の重要性が十分に分かるでしょう。

料理が上達しやすくなる

衛生管理を徹底する姿勢と、美味しくて見栄えの良い料理を作る姿勢はよく似ています。

いずれも、几帳面で丁寧な姿勢でなければ万全にこなすことはできません。

衛生管理において、そういった姿勢で臨むことは、食中毒の原因となる因子を予め取り除くことに繋がります。

料理に関して言えば、几帳面であれば材料を均一に切ったり味を整えたりする努力に繋がり、丁寧であればあるほどイメージ通りに仕上げることが可能になります。

この点から、普段から衛生管理を徹底し、几帳面で丁寧な姿勢を身につけることで、自ずと料理が上達しやすくなる点に期待ができるのです。

料理を純粋に楽しめるようになる

料理の醍醐味は、やはり食べることを楽しむ点にあります。

しかし、その楽しみともなる家庭料理が、美味しくなかったり食中毒を起こしたりするものならば、純粋に楽しめないといったことにもなり得ます。

ましてや、食中毒が頻繁に発生する状態であれば、次第に家庭料理を食べたいとも思わなくなってしまうでしょう。

一方で、前述のように衛生管理を徹底することで、食中毒の発生を抑えられるほか料理の腕も上達していくことにも期待ができ、家庭料理を純粋に楽しめるようになるはずです。

なにより、料理を楽しむことは、英気を養うことやモチベーションアップにも繋がりますので、これらの効果を台無しにしないためにも衛生管理の徹底は重要な要素であると言えるでしょう。

家庭料理の衛生管理の具体的な対策

料理を作る前に必ず手を洗う・作った料理は長時間常温に置かない、といった点はなんとなく把握している人も多いと思います。

しかし、これらだけでは衛生管理としてとても十分であるとは言えません。

食中毒防止の観点では、調理の様々な過程においてあらゆる対策が必要となるのです。 

なお、具体的な対策は、厚生労働省によって「家庭で行うHACCP(ハサップ)」の名目で公開されており、そこでは以下のような対策が挙げられています。

食品の購入に際する対策

  • 肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを選ぶ。

  • 表示のあるものは消費期限などを注視する。

  • 肉や魚は個別のビニールに入れ、液汁をほかの食品に移さないようにする。

  • 生鮮食品などの温度管理が必要な食品は、可能な限り早く持ち帰る。

食品の保存に際する対策

  • 温度管理が必要な食品は、すぐに冷蔵や冷凍庫内に納める。

  • 冷蔵、冷凍庫内は効果を保つために7割ほどの収納に抑える。

  • 冷凍庫内は10℃以下、冷凍庫内はー15℃以下を保つようにする。なお、多くの細菌の増殖は10℃で緩やかになり、ー15℃で完全に停止する。ただし、増殖が停止しても消滅するわけではない。

  • 肉や魚は個別のビニールや容器に入れ、ほかの食品に液汁が移らないように収納する。

調理の下準備に際する対策

  • 台所を見渡し、ゴミが散乱していないか、調理台やタオルは清潔か、石鹸や洗剤が備わっているかどうかといった点を確認する。

  • 石鹸でしっかり手を洗う。

  • 生の肉、魚、卵を扱ったあとには必ず手洗いを行う。また、途中で汚い場所に触れた場合は、そのあとにも手洗いを行うことが重要。

  • 生で食べる果物や野菜や調理済みの食品に、肉や魚の液汁がかからないようにする。

  • 生の肉や魚を扱った包丁やまな板で、ほかの食品を扱わないようにする。生の肉や魚を扱った際には包丁やまな板を洗剤で洗い、さらに熱湯をかけてから再度使用する。

  • ラップされた野菜や、カットされた野菜もしっかり洗う。

  • 冷凍食品は、冷蔵庫や電子レンジで解凍を行うようにする。常温での解凍は細菌増殖の懸念があるため、避けることが望ましい。なお、水で解凍を行う場合は、気密性がある容器に入れて流水にあてるのが良い。

  • 冷凍食品は、料理に使用する分のみを解凍する。一度解凍されれば細菌の増殖が促進されるため、冷凍と解凍を繰り返すことは食中毒の危険性を高める。

  • 包丁、まな板、たわし、スポンジ、食器、ふきんなどは使用後すぐに洗剤を用いて洗うようにする。また、より殺菌効果を高める場合には熱湯をかけ、たわし、スポンジ、ふきんなどは定期的に新しいものに交換するのが良い。なお、汚れがひどい場合は、漂白剤に一晩漬けるのが効果的。

調理に際する対策

  • 肉や魚など、加熱調理が必要な食品は十分火を通すようにする。なお、目安は中心温度75℃で1分以上の加熱。十分に火を通すことで、食品に潜む細菌をまんべんなく殺菌することが可能。

  • すぐに使用しない食品は、細菌を付着させたり増殖させたりすることを防ぐために、冷蔵庫に入れておくようにする。

  • 電子レンジで加熱する場合は、電子レンジ対応の容器と蓋を使用する。熱が伝導しにくい食品に関しては、時折かき混ぜて全体に火が通るようにする必要がある。

食事に際する対策

  • 食事を行う前には、各々しっかり手を洗うようにする。

  • 料理を盛り付ける際には清潔な手、器具、食器を用いることを心がける。

  • 細菌は30〜40℃で増殖しやすくなるため、温かい料理は65℃以上の温度、冷たい料理は10℃以下の温度を保つようにする。

  • 料理は常温に長く置かないようにする。常温の状態になると、例えば「腸管出血性大腸菌0157」は15〜20分で2倍に増殖する。

残った料理における対策

  • 残った料理は、清潔な容器に移し替えて保存する。なお、急速に冷却できるように、浅い容器を使用するのが望ましい。

  • 長い時間常温に置いた料理は思い切って捨てる。

  • 残った料理を再び温める際にも、十分な加熱を意識する。食品が75℃以上になるのが目安で、汁物に関しては沸騰するまで加熱することが望ましい。

  • 少しでも異様な味、臭いを感じたら食べずに捨てる。

家庭料理で見逃しがちな衛生管理

料理の衛生管理には、多岐にわたる対策が挙げられます。

その点から、全ての対策を把握しきれず、行き届かない部分も出てくることが指摘できるでしょう。

実際に、家庭料理においては、次のような部分が疎かになってしまう可能性があります。

スマホ操作後の手洗い

料理のレシピをスマホで手軽に調べられる現代ならば、やはりスマホでレシピを見つつ料理を行うという人も多いでしょう。

そんな人の中には、スマホを触ったにも関わらず、手を洗わずにそのまま調理を続行する人もいるのではないかと思います。

しかし、スマホを触った手で調理を行うことは禁物です。

スマホは常に携帯し、あらゆる場面で操作を行うものであり、その点から細菌やウィルスの温床となっていることが指摘できます。

そんなものを触りながら調理を行うとなれば、高い確率で食品に細菌やウィルスを付着させることになってしまうのです。

どうしてもスマホを操作する必要があり、逐一手を洗うのが面倒に感じるのであれば、予めスマホを清潔なビニール袋に入れておくか、調理用手袋を使用し着脱して操作を行うようにすると良いでしょう。

台所の掃除

台所の掃除は、見かけだけきれいにするだけでは不十分です。

家族全員が清潔な手で台所を利用しているとは限りません。

そのため、見かけ上はきれいにしても、実際は水回りや冷蔵庫などに細菌やウィルスが付着している可能性もあるのです。

調理を開始する前には、キッチン用のアルコール除菌スプレーなどを活用して、触れる部分を中心にしっかり掃除しておくことが大切です。

食器をきれいに洗浄できていない

食中毒を起こさないためには、食器をきれいに洗浄するのも基本です。

しかし、食器を洗う程度というのは、人それぞれで異なってきます。

例えば、丁寧に洗浄し汚れをきれいに落とす人もいれば、雑に洗浄し食べかすが付着している状態で終えてしまう人も存在します。

仮に、後者のような雑な洗浄が行われれば、次にその食器を使用した人が食中毒を被ることになる可能性があるのです。

家族全員で食器を共有しつつ、それぞれで洗浄を行う場合は特に注意する必要があります。

もちろん、食器だけでなく、調理器具においても同様のことが言えますので、それらの洗浄も手を抜かないようにしましょう。

まとめ

今回は、家庭料理における衛生管理の基礎と重要性を中心に解説しました。

  • 料理の衛生管理は、簡単に言えば食中毒を防ぐための手段のこと。

 

  • 家庭料理の衛生管理は、自分や家族を食中毒で苦しめずに済む、料理が上達しやすくなる、料理を純粋に楽しめるようになるといった点で重要。

 

  • 家庭料理の衛生管理は、食品の購入から食事後までの過程全てにあり、その具体的な対策も多岐に及ぶ種類が存在する。

 

  • 家庭料理では、スマホ操作後の手洗い・台所の掃除の徹底・食器の丁寧な洗浄といった衛生管理が見逃されがち。

家庭で作る料理だからといって衛生管理を疎かにすれば、知らず知らずのうちに食中毒を発生させることになります。

そして、その被害を被ることになるのは、ほかでもない自身や家族です。

また、適切な知識を有していなければ、食中毒を起こした際に原因を突き止めることができなくなります。

原因を明確に把握できない場合、改善することができず食中毒の発生を繰り返すことになりかねません。

そうなれば、自身や家族をずっと苦しめることにもなり得ます。

そういった事態を防ぐためにも、家庭料理における衛生管理もしっかり押さえておくようにしましょう。

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